2012年10月21日日曜日

忍法八犬伝——山田風太郎・著


忍法八犬伝 山田風太郎忍法帖(4) (講談社文庫)

ご存じ滝沢馬琴の南総里見八犬伝。この小説はその子孫のお話。

八犬士末裔のジイサンたちが語る日々の説教に、若い殿様もジイサンたちの息子たちも
「超うぜぇ」と思うのは今も昔も同じ。

殿様はその鬱陶しさから解放されたいと「仁義礼智忠信孝悌」と記された八顆の珠を
徳川家に献上すると約束。

が、里見家の取り潰しを企てる伊賀者に「仁義礼智忠信孝悌」を「淫戯乱盗狂惑悦弄」
と記された珠にすりかえられちゃったからさあ大変。

頼りのジイサンたちは切腹しちゃったし、その息子たちは修業先からトンズラ。
果たして献上の日までに珠は取り戻せるのか?


物語りのスタートからハフハフな展開。
さすが、エンターテインメントの神様、山田風太郎。
えぇぇぇぇぇ!!!という忍法。サービス精神たっぷりなエロ描写。
でも、嫉妬さえ覚える男の生き様と死に様がここにある。
とても切なく、美しいお話です。



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