2014年5月31日土曜日

いわき——海岸沿いの町へ

前回から時間が経ってしまいましたがGW編。郡山滞在最終日、いわき方面へ行きました。明治32年開設の塩屋埼燈台からの眺望。


海水浴や潮干狩りに最適な浜が長く続きます。しかし、東日本大震災により、こちらも津波の被害、加えて原発問題が深刻です。被害に遭った建築物の大半が撤去されていましたが、まだ残された家も。古くからの漁港は独特の魚の匂いもなく静まり返っていました。







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よく見る夢がある。何かに追われ、両手で持てるだけ物を選び、名残を惜しむ間も許されずに部屋を後にする。ディテールに多少の違いはあってもこのシーンはいつも同じ。

夢の出所は14才の夜逃げの記憶だと思う。実家の家業が倒産し、親戚宅に私を預けて両親は失踪。それから半年間、紙袋二つで親戚宅を渡り歩くこととなった。最終目的地、東京の親戚宅に着いてから暫くは昏々と眠り続けた。しかし、ここも遅かれ早かれ、少なくとも高校を卒業するまでには出なければならない。それまでに自活の準備を整える。半年の間で15才になった私はそんなことを考えていた。

ここに至るまで、呆然、絶望、恐怖、怒り、諦め、そんな感情がグツグツと湧き出でるだけが続いた。そして諦めという段階でようやく現実を受け止める余裕が出てきたように思う。でも気持ちはまだ立ち止まりたくて逆走を繰り返す。やがて決断の時がくるが、同時に見えてくるのは現実的な困難。複雑に絡み合う問題を整理し、解決への糸口を見つける。「やる」そう己を奮い立たせた時、何とか明日に光みたいなものが混じってきた。

被災地の映像が流れるたび、被災地を訪れたり仮設住宅を目にするたび、あの頃の自分を思い出す。状況はまるで違うし「被災された方々の気持ちを察する」とはまた別の話。実際、私は震災について未だ語る言葉が見つからないでいる。

ただあの頃を思い出す。ある日突然もぎとられるように失われる日常。帰る場所はなく、行く先も定まらぬ不安。その不安を埋めるためガムシャラに走り続けた。今が不幸なわけじゃない。後悔があるわけじゃない。けれど30年以上経った今も埋められない何かがある。あの家は、あの置き去りにした物たちは、あの日のまま変らずに今もまだ私を待ち続けているように思えてならない。

不自然に建物のない海岸沿いの町。地震、津波、原発。失われた命。
今回もまたかつてここにあったものに黙祷を捧げるしかできなかった。失ったものはなかったことではない、それ以外は何もわからなかった。町ですれ違う人々の横顔に何の言葉も見つけられず、いわきの町を去った。私はこれからもあの震災について考え続けるんだと思う。

2014年5月7日水曜日

シャボンの森

舅は自宅から車で20分ほどの場所に小さな山を持っています。定年後、その山を手入れするのが舅の日課。シャボンの木があることから、姑が「シャボンの森」と命名。


ヤマツツジ。大きな木や茂を整理し、日が当たるようになったら花をつけはじめたとか。
舅は友人知人を招き、先々週は山桜、今週末はヤマツツジでお花見だそう。楽しそう〜。


山桜は雪のように降りそそいでいました。満開もいいけど、やはり桜は散る様を見る花だと思う。ほかにも数多くの植物があります。軽く百種類はありそう。


シャボンの森のあけびの蔓でおひたし。若い蔓は、柔らかくて少しほろ苦くて美味しい。蔓を編んで籠にするのは知ってましたが、食べられるとは。まだまだ知らないことがたくさんあるなぁ。

2014年5月6日火曜日

郡山聖ペテロ聖パウロ教会と赤木神社

引き続きレンタサイクルで市内観光編。開成山公園の近くにある郡山聖ペテロ聖パウロ教会。昭和6年に建てられたゴシック建築。郡山でも古い建物の一つだそう。

ほのぼのとした佇まい。教会から音楽が流れてきたな〜と思ったら生演奏でした。バイオリンの音色が美しかったです。







郡山市内にはほかにも小さいな教会がいくつかある模様。次回はそちらも訪ねてみたいです。


こちらは赤木神社。

小学生だった夫の遊び場だったという小さな小さな神社。郡山に来ると大抵こちらに寄ります。夫は初詣も大きな神社ではなくここに来たがる。いいと思う。そして羨ましい。

2014年5月5日月曜日

安積歴史博物館——福島県・郡山市

初ドライブの翌日、やはり二日連続のドライブの許しは得られず、郡山駅前の「郡山まちなかレンタサイクル」で自転車を借りて市内観光。

まずは安積歴史博物館へ。1884年設立した県立安積高校の敷地内にあります。現在、復興工事中。震災で土壁は落ち、窓ガラスは割れてしまったそうです。現在は仮オープン中なので展示物はありませんが、建物の見学だけはできます。夫はこちらの卒業生。


講堂。夫の在学中も講堂だけは使用されていたそうです。



教室を再現したもの。窓ガラスはすべてアクリルになっていました。

バルコニー。

古い学校の階段がたまらなく好き。

会津などに比べて見所が少ない郡山。でも探せば色々とあります。歴史のない町なんてないですね。しばらく福島編が続きます。

須賀川牡丹園——福島県・須賀川市

GWは郡山へ帰省。
そして初ドライブは、逢瀬公園須賀川牡丹園へ行きました。約50kmを走行。

須賀川牡丹園は、東京ドーム約3個分の敷地に290種7,000株の牡丹が植えられています。こちらの牡丹は、240年ほど前に薬用として植えられたのがはじまりだとか。今年の牡丹の見頃は5月10日頃、5月2日に行った時には咲きはじめといったところでした。







広い敷地は散歩をしているだけでも気持ちがいいです。



牡丹のほかにも色々な花が咲いてました。アヒルも散歩しています。

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初ドライブは、無事に終了。
「明日も車でどこかへ行こうか!」「会津?それとも――」と調子こく私に無言の夫。
まぁ初心者の助手席にただ座っているしかできない不安を想像するにさぞ疲れたことでしょう。もちろん、次回もつき合ってもらいますが。

初ドライブの課題は駐車。はい、車庫入れがまったくできませんでした。脳内フリーズ。「おまえは走り続けろ!」と夫。はいはい、私の性格まんまですね。でも今はまだ車庫入れを頑張る気になれないんだよなぁ。ダメだよなぁ、うんダメだ。