東京ミッドタウンにある
21_21 DESIGN SIGHT。
こちらで2011年7月に「
東北の底力、心と光。『衣』、三宅一生。」展、2012年にはグラフィックデザイナー佐藤卓氏、プロダクトデザイナー深沢直人氏による「
テマヒマ展(東北の食と住)」が開催された。本書は二つの展覧会に出品された64アイテムを紹介。
【衣】紙衣、シナ布、からむし織、こぎん刺し、裂織、山形ニット、ホームスパン、天鷺ぜんまい織、プリーツ加工
【食】麩、津軽飴、打ち豆、凍み餅、凍り豆腐、山菜、干し菊、大根、縄干しいわな、凍みイモ、いわしの焼き干し、駄菓子、笹巻、きりたんぽ、三五八、稲庭うどん、かっけ、干し柿、いぶりがっこ、凍みきらず、はたはたずし、にしんの山椒漬け、鮭、みそたまり
【住】りんご箱、曲げわっぱ、秋田杉桶樽、会津桐たんす、臼と杵、柏戸イス、堤焼、小久慈焼、平清水焼、楢岡焼、雄勝硯、会津桐下駄、りんご剪定鋏、鋸、にんにくナイフ、会津木綿、樺細工、ボッコ靴、南部箒、鳥越地区の竹細工、奥会津編み組細工マタタビ細工、奥会津編み組細工山ブドウ細工、りんご手かご、イタヤ細工、岩出山のしの竹細工、津軽塗、川連漆器、会津漆器、浄法寺漆器、山形鋳物、南部鉄器
りんごの剪定鋏やにんにくナイフなどの道具にグッとくる。
有名な仙台駄菓子は京都伝来、会津駄菓子は江戸の影響が強いという。
鶴岡駄菓子、盛岡駄菓子、津軽駄菓子、角館駄菓子、東北6県にそれぞれの特色のある駄菓子があったのには驚いた。素朴でおっとりしたフォルムがいい。
収録されているいずれもこうやって紹介されなければ、見過ごしてしまいそうな品々。
なのにどれもこれも一癖ありそうな面構え。
これらを入手したからって、そう簡単に私に近寄ってきてくれるとは思えない。
日々のなかで、身につけ、口にし、手にしているうちに馴染んでくるもの。
いつの間にか特別ではなくなり、なくした時に「しまった」と気づくもの。
もれなく、ジジババの「そらみたことか」の説教がついてくる、そんな気さえしてくるもの。
美しくまとめられたこの本に、「ああ、生活」思わずそんな言葉が出てしまうのでありました。
残念ながらこの展覧会を見逃してしまいました。再展示してほしいなぁ。
日本民藝館あたりで。無理かな。日本民藝館では4月からの特別展示はアイヌの工芸。北海道出身者としては見ておきたい。
日本民藝館。画像は2012年バーナード・リーチ展に行った時のもの。
桜の季節、日本民藝館を設立した柳宗悦の歌を思い出します。
吉野山 コロビテモ亦 花ノ中